生きること。
羽生善治を追い詰めた棋士――村山聖(さとし)。
病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯。
上映時間 124分
原作 大崎善生
脚本 向井康介
監督 森義隆
主題歌 秦基博『終わりのない空』
出演 松山ケンイチ/東出昌大/染谷将太/安田顕/柄本時生/鶴見辰吾/北見敏之/筒井道隆/竹下景子/リリー・フランキー
29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖。難病と闘いながら将棋に全人生を賭けた壮絶な生き様を描くノンフィクション小説「聖の青春」を映画化したもの。
幼い頃に難病のネフローゼ症候群を患い、入退院を繰り返した村山聖。入院中に父から勧められた将棋に心奪われ、将棋の最高位・名人の獲得を夢見るようになる。やがて、後に親子同然の強い絆で結ばれていくことになる師匠・森信雄に弟子入りすると、すぐに頭角を現わし、異例のスピードでプロデビューを果たす。
その後、同世代の天才・羽生善治に強烈なライバル心を燃やす聖は、彼の体調を心配する家族や仲間の反対を押し切り、拠点を大阪から東京へ移し、“打倒、羽生”と“名人獲得”という目標に向かってなりふり構わず突き進むのだったが…。
コチラは、公開初日鑑賞したのに、感想が遅くなりましたが、
静かに勝負に生きる男の世界を描いていて、なにか、、満たされました。良かったです。
一度転んだら、自力で起き上がることが出来ない状態でも青年は戦いの場に鎮座する。
羽生に勝つことは20勝分の価値があると言い切り、師匠や先輩にも遠慮のないもの言い
でも、、周りは理解する―。彼の将棋にかける情熱と純粋さを…。
そしてまた、彼には時間がないことも…―。
ボクには夢が二つあるんです・・・
一つは名人になって将棋をやめてのんびりと暮らすこと。もう一つは素敵な恋をして結婚することです。
“名人”になることと、“恋”・・・
実際にはどんなシチュエーションで言葉にしたのか、、胸が苦しくなる、彼の夢。――
暇を見つけて通った馴染みの書店での可愛らしい一コマ。
憧れの羽生との幸せな時間。
そして時は刻み続ける。
この作品のPRで出た番組で、ケンイチくんが、「今年はこの作品に懸けてきた」と言っていました。
役作りのため26キロ増量し、(症状によってはもっとだったかも)
それがこの作品のリアリティを増し、村山聖の苦境に説得力を持たせていました。
本当に、役作りとは言え、命がけですよね~
羽生役の東出昌大さんは確か180センチ以上もある長身で、小柄な羽生役はどうかと思いましたが
ケンイチ君も180㎝だし、座っての対局なので、あまり関係なかったですね(笑)
しかも東出さん、羽生さんの所作をホントによく寄せてきて、ニヤリとしました
母親に竹下景子さん....。息子の病気が発覚した時と、、もう一度。
同じ母親として、胸に刺さって抜けないこぼれ刃のような痛みを感じ、苦しかった‥
聖のよき理解者であり、温かく彼をを支えた師匠・森信雄役にはリリー・フランキー。はまり役。
弟弟子・江川貢役に染谷将太。
先輩棋士の安田顕、柄本時生。
将棋会館の記者で、聖の面倒を見る筒井道隆もそれらしくてヨカッタ
将棋の世界なので、ほぼ女っ気なし。男のドラマですが、
作品全体に漂う神聖な空気が爽やかでもあり、、、終わってからも静かに哀しい。