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紙の月

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制作年 2014年
上映時間 126分
原作 角田光代『紙の月』(角川春樹事務所刊)
脚本 早船歌江子
監督 吉田大八
出演 宮沢りえ/池松壮亮/大島優子/田辺誠一/近藤芳正/石橋蓮司/小林聡美/中原ひとみ

平凡なアラフォー主婦が、若い男との出会いをきっかけに巨額の横領に手を染めてしまう欲望の暴走とその顛末
原作は角田光代の同名ベストセラー。
1997年。エリート会社員の夫と2人暮らしの主婦、梅澤梨花。
銀行の契約社員として外回りの仕事を任されるようになった彼女は、顧客の信頼も得て、上司からも高く評価される。しかし家庭では、夫との冷めた夫婦関係に空しさを抱き始めていた。そんな時、外で梨花の顧客・平林孝三の孫平林光太から声をかけられる。これをきっかけに、若い光太との逢瀬を重ねるようになり、久々に気持ちが浮き立つ梨花。
ある時、化粧品売り場で持ち合わせが足りないことに気づいた彼女は、客から預かった金に手を付けてしまう。すぐに戻すから大丈夫と自分に言い聞かせる梨花だったが、それが転落へと向かう暴走の始まりだった。


公開時は、NHKのドラマ版を観てから日も浅く、お気に入りの池松壮亮くんの出演作なのに
ドラマ版で満足していたので、そこまでそそられなかったのです。
けれど、全5話で描かれたドラマ版よりは、
ヒロイン・梨花を取り巻く人たちなど、コチラの方が原作に近いのかも知れません。

梨花と夫の溝の原因とか、梨花の光太への気持ちとか、
そもそもの梨花のお金に関する論理の根っこは、どうして形成されたのかなど、私は
篠崎絵里子さんのドラマ脚本が解りやすく描かれていて、
ただの犯罪サスペンスだけではない、
人間ドラマとしてもキッチリと表現されていて良かったと思いました。

梨花がなぜ夫と心を通わせられなくなっていたのか?
夫婦の間に、なぜ子供がいなかったのか?
そもそも、梨花はナゼ光太に傾斜していったのか?

夫と冷めていて寂しかったから??

そこにはミッションスクール時代の、ある事で満足を得た最初と、
光太のバイト三昧、しかも学生にしては多額の借金という境遇が、
梨花をその満足の世界に引き戻してしまった…。そこは同じ。

でも、ラストの舞台は同じでも選んだ道は映画とドラマでは違っていました。
偶然の出会いはデキ過ぎていたけれど、、
彼女の信じた行為の(どんなお金で有れ、人を助けられる)優しい答えだと思えたのでしょう。

この作品でこの年の主演女優賞を総なめにした宮沢りえさん、
今年公開の「湯を沸かすほどの~」の方が、個人的には評価されて欲しいですが、
本当にいい女優さんになったなあ~と思いました。

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