脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/三上博史/山本耕史/田中麗奈/武井咲/小日向文世/和久井映見/上川隆也/阿部サダヲ/國村隼/中村梅雀/中井貴一
第16回 「さらば父上」 11・3%
美福門院(松雪泰子)の策略は、増長する忠実・頼長親子(國村隼・山本耕史)をワナにかけ、その報復に平氏を使って彼らを襲撃させるというものだった。病床の忠盛(中井貴一)は判断に迷うが、そこに安芸から清盛(松山ケンイチ)が帰り、ある決断を迫る。すべてのもののふたちに、武士の世の夢を与えた誇り高き男がついに世を去る…。そして次の平氏の棟梁になったのは…!第1部完結。
今回はようやく家盛急死によって吹き荒れ、各人の心の奥底にあったわだかまりが解けた平家に
朝廷の争いに巻き込まれそうな事態に、心を一つにする平氏一門と、
朝廷の一方の勢力・藤原摂関家の陰謀に巻き込まれるもやむなしとする源氏の棟梁と
息子・義朝の益々深まる溝に焦点を当てた回と云えます。
藤原忠実(國村隼)は、次男の左大臣・頼長(山本耕史)を氏の長者とする為、長男である忠通(堀部圭亮)邸を為義に襲撃させ、家宝・朱器台盤(しゅきだいばん)を強奪。
「家宝を持っている者が藤原の氏長者」というコトらしいけど、あの端折ったナレーションでは
ちょっと説明不足の感じもした。こういう所で脱落者がでるのでは??
自分たちの内輪もめにいいように使われる父に、プライドはないのかと義朝は怒り、
「盗賊と同じ行為」だと非難する。
由良姫の父と息子が仲良く・・との願いは叶わないどころか、義朝は常盤に心を移していく。
一枚岩になれない源氏…―
1151年高野山再建を成し遂げた清盛には安芸守の任が授けられ、配下を引き連れて安芸の国へ発ち、
忠盛(中井貴一)も念願の公卿まであと一歩となった頃、体調を崩し寝込む。
健康不安の忠盛は、清盛の産みの母・舞子との在りし日の会話に思いを馳せる。
「夢中に生きていればなぜ生きているのか、解る日がくる」夢中で生きてきても
忠盛には解らないでいたものが、ある時、確信になる。
頼長が内覧になり益々権力をつけてくるのを邪魔に思う美福門院得子は策を弄し、
源氏にやられた平家成の仕返しをせよと忠盛に命じてくるが、帰京してその場に居合わせた清盛は
「その沙汰、お断り申し上げよ」と家定に申し付ける。
幼き頃、父に貰った宋剣を指し、
「俺がこの剣を振り回してきたのは、院と摂関家の小競り合いに巻き込まれる為ではない。
こいつはそんな事をするために生まれてきたのではない…そんな気がするのじゃ」
清盛の言葉に、迷いの消えた忠盛は、初めて家人に向かって
「院にお仕えするのではなく武士が頂に立つ世」その為に太刀を振るってきたと明言。
平氏一門が集まった席を設けると、忠盛は自分の身に万一の事があった時の為として、
4人の兄弟其々に形見分けの品を与え、遺言をする―。
「わし亡き後、平氏の棟梁は清盛と定める」
暫くの思案の後、清盛は母・宗子の顔を窺うのですね、、、宗子も清盛と眼を合わせ、頷きます。
自由に思ったことを口にする一方で、清盛の母に対する遠慮と優しさが描かれたシーンでした。
安芸に帰った清盛は、不意に現れた忠盛と、少年の頃のように父と木剣を持って相手をして貰い
「強うなったな」と褒めてもらえるが、振り返ると宋剣が砂に突き刺さっていて父の姿は無い…。
清盛にとっては、最期まで最も強く誇り高き男、それが尊敬すべき父、忠盛だったのですね。
何かと平氏と源氏を比較しているのもちょっとシツコイかな〜と思ってきていますが(笑)
その一門の置かれた立場、状況は解り易くしているのもありますね。
父を尊敬できる息子→清盛
父を尊敬できないで苦しみ、そのあげく妻ではない常磐に向かう源氏の息子→義朝
息子の成長を認め、清盛を信頼する忠盛、に対して
息子の警告に耳を貸さない源氏の棟梁、為義―という図式がとても解りやすかったです。
さて、今回までが第1部だったんですねぇ。
いよいよ清盛が平氏の棟梁となり、激化する朝廷の争いにどう一門を束ねていくのでしょうか。
次回からは清盛も身支度からして変わりそうですし(笑)楽しみします〜♪