脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/松田翔太/山本耕史/西島隆弘/田中麗奈/武井咲/小日向文世/和久井映見/阿部サダヲ/中村梅雀/井浦新/上川隆也/國村隼
第22回 「勝利の代償」 11.0%
保元の乱がついに終結。負傷した頼長(山本耕史)、山に逃れた崇徳上皇(井浦新)に悲劇が…。さらに敗走中に捕らえられた忠正(豊原功補)と為義(小日向文世)に、信西(阿部サダヲ)から下された信じられない沙汰に、清盛(松山ケンイチ)は苦しむ。負けた者にも勝った者にも、つらき結末に、戦士である武士たちは苦悩する…。
後白河天皇と崇徳上皇の兄弟の争いに、加担する藤原家も兄弟で別れ、
平氏も源氏も身内を敵に回す骨肉の戦いとなった保元の乱は僅か1日で終わるものの、
敗者側の末路、
勝者となった清盛と義朝の複雑ながらも、希望に近づいた棟梁の貌を映したものでした。。。
僅かな警護の兵と供に山に逃げ込んだ崇徳上皇は、覚悟を決め出家すると藤原教長(矢島健一)に告げますが、
如何せん山中のことゆえ、道具もなく―…
「何と思うままにならぬ、吾が一生よ!ハハハハハ・・・生まれてよりこのかた、なにひとつ。
我慢を重ねて、ようやく決断した時には遅く、機にも仁にも、いかにも恵まれないお方。
ここはもう泣かされました。
悪左府頼長さまの最期も、ほぼ史実通りに描かれて、悲惨なものでした。
元より、負けた時のことなど考えぬものなのでしょうが、
深手を負って、冷たくされた父を頼るしかなかったことも想定外だったでしょうが、
あの、決意の瞬間までは、やっぱり父を信じていたのでしょう。
頼長の屋敷において、信西がみつけた日記の、真面目な父親振りが救いになりました。
勝った後白河天皇は、武士の働きをねぎらい、満足そう。でも、得子さまにクギをさされます
清盛は義朝と勝ち戦に安堵し、面白く生きれる世はもう直ぐだといい、
それぞれが妻や子の待つ屋敷に帰り、しばしの安らぎを得るものの
其々気にかかる敗軍の将となって行方の知れない忠正と為義のこと。
やがて清盛の命で、残党狩りに先んじて忠正と息子たちは忠清に連れられて戻ってくると、
流石は大らかな平家一族。
罪を軽くして貰うよう頼むので、これからも平氏の要となってくれるよう忠正を説得する清盛。
いそいそと、共に朝餉をとろうと膳を運ばせる時子殿。
一方の源氏の屋敷でも、為義の生存が知らされるが、もはや親子ではないと言って会おうとしない義朝。
捜索は由良が命じたものらしい・・・。
義朝の為を想い、ひいては源氏の為の由良の行為が、いつも素直に受け入れられない義朝。
たとえ夫の心が離れていくことになっても、可愛くないと言われようとも、
凛として引かない、賢き妻、強き母であり続けたのですね。
ここらも、穏やかな平家に対して、荒々しい源氏といった風にみえます。
そして、朝廷では、崇徳上皇側についたものたちの処分が発表され―、
清盛にも武士への処分が、言い渡される・・・
今回は、出来過ぎた兄を持つ弟としての屈折した胸のうちを、その兄嫁だった池禅尼に吐露する忠正の
「あの時も。兄上があの赤子を引き取ると言うたあの時も、ああ、、これは一生わしが尻ぬぐいせねばならぬ。そう思うた。
それが、とてつもない事をしでかす男を兄に持つ弟の、定めというものじゃ」という言葉に、
彼の重き荷を背負ってきた人生を感じ、なんとも言えない気持ちになりました。
そして、その重き荷は、
清盛の背負うところとなっていくのでしょう。
はぁ〜・・・・
来週こそは勝者の、清盛と義朝に勝利の代償と支払いが、、、
この大きな苦難の時を、どのように清盛を描いてみせてくれるのでしょうか、期待します。