脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/窪田正孝/松田翔太/藤木直人/森田剛/西島隆弘/田中麗奈/和久井映見/阿部サダヲ/井浦新/中村梅雀/松雪泰子/上川隆也
第24回 「清盛の大一番」 12.1%
大学生(だいがくしょう)の信西(阿部サダヲ)が取りしきる後白河帝(松田翔太)を頂いた政が始まった。信西は手始めに内裏を修復し、宮中行事として相撲節会を復活させようとする。そのうたげの取りしきりを清盛(松山ケンイチ)は請負う。鎮西(現・九州)に飛んだ清盛は、見たこともない茶器に出会う。いよいよ清盛の朝廷での大一番が始まる!
朝廷を真っ二つにした保元の乱の後の、その財力で内裏を修復したり、金のかかる宮中行事の資金集めからその仕度まで、
武力以外でも朝廷を支える、順調な平氏と、
片や、自分の親まで手にかけて尽くしたのに、評価されない源氏の棟梁・義朝の焦り。
それは、親の代から財を成し長く朝廷を支えてきた平氏に、いきなり肩を並べようと直訴という行為になって表れるのも
無謀という気がするのだけれど、それほどにこの戦だけに懸ける義朝が、
政治的駆け引きの出来ぬ只ただ、不器用な男だったのだという印象で、
ひとつの戦いが終わった後での、ふたりの明暗が大きく浮き彫りになった回でありました。
それは、鎮西に出向いて大宰府役人原田種直と渡り合った清盛の攻め方においても、
その後で相撲節会の宴の膳を自分に用意させて欲しいと切り出すところも、
父忠盛でさえ出来なかったであろう大胆な駆け引き。
それは、後白河帝の、性格を良く知る清盛だったから出来た、大一番。
信西が首を縦に振らなかった大宰大弐の位をかけた清盛の攻めでした。
「大宰府を手に入れるのじゃ」と明るく言ってのける清盛の言葉は、
成親には冗談にしか聞けなかったのを、
「きっとまことに致しましょう。あの戦よりこちら、我が夫の肝の据わりようはそれまでの比ではござりませぬ」と
やんわりと言う時子様も、どこか誇らしげで、
夫を信頼しきってる様子が、平家全体の穏やかさの象徴のような気さえしました。
相撲節会と、その成親の妹・経子と重盛の婚礼が同時進行で映されるのも、
手を打つだけ打って、仕上がりを待つ清盛の、器の大きさが窺える演出で良かったです。
一方の源氏では、由良の働きかけで頼朝が統子(後白河天皇の姉)の娘に出仕が決まり
その祝いの席で突然由良が倒れてしまう…。ますます出世を焦る義朝―。
さて、清盛の「大一番」は、かつてサイコロを振りあった後白河天皇にも影響を与えました。
「玉座におっては、あやつと遊べぬゆえな」
いともあっさり、美福門院と守仁親王に譲位を告げたのですから、、、。
今回ばかりは、頼り甲斐のある夫・清盛。
出来のいい妻に、いいところを見せられない不甲斐ない義朝の構図が目立ちましたが、
これも嵐の前の静けさとなるのでしょうか、差がついたライバル。次なる戦いは迫ってます!