伝説が、壮絶に、終わる。
原題 THE DARK KNIGHT RISES
上映時間 164分
脚本 ジョナサン・ノーラン/クリストファー・ノーラン
監督 クリストファー・ノーラン
音楽 ハンス・ジマー
出演 クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/ゲイリー・オールドマン/アン・ハサウェイ/トム・ハーディ/マリオン・コティヤール/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/モーガン・フリーマン
鬼才クリストファー・ノーラン監督が、『ダークナイト』に続いて放つアクション大作。
忙しさにかまけ、先行上映で観ながら感想が今になってしまいましたが、
164分という長さを微塵も感じさせること無く、架空の街ゴッサムシティで巻き起こる
イヤ、ノーラン監督の提示する善悪の攻防に惹き付けられてしまいます!
人々の尊敬を集めた地方検事ハービー・デントの罪を一身に被り、ゴッサム・シティから姿を消したダークナイト(=バットマン)。それから8年、ゴードン市警本部長は真実を心におさめ、街の平和のために尽力していた。そんな束の間の平和を享受していたゴッサム・シティだったが、鋼のような肉体をまとった巨漢のテロリスト“ベイン”の登場で一変してしまう。街は次々と破壊され、無法地帯と化していく。人々の心が恐怖と絶望に支配される中、ついにブルース・ウェインは自らの封印を解き、再びケープとマスクを身にまとうのだったが…。
シリーズ最終章にふさわしいストーリー展開でしたが、
まだご覧になっていらっしゃらない方は、劇場に行かれる前に、是非1作目『バットマン ビギンズ』と前作『ダークナイト』をご覧になって行かれることをおススメ。
この最終章にコレまでの事件の真相、人間関係が大きく関わった内容です。
(しかし、過去映像も少し出てきますし、まるで理解できないという訳ではありません)
舞台はジョーカーによって心理面から操られたトゥーフェイスことデント検事の殺害の罪を被り、
バットマンが人々に嫌われたまま姿を消した、それから8年後のゴッサムシティ。
愛を失い、心身ともにボロボロの億万長者のブルース・ウェインは闇に潜んでいたが、
キャットウーマンという裏の顔を持つセリ―ナ(アン・ハサウェイ)の登場で
経済的にも打撃を受け、窮地に追い込まれることとなり、
ゴッサムシティに、自分に忍び寄る破壊的な悪の存在を知る―
これまでの、善と悪、強さと弱さ、光と闇、希望と絶望、愛と裏切りを
そしてその中で苦しみ悶えながら、ブルースが導き出す答えとは・・?
クリストファー・ノーラン監督のこのシリーズが、大人をも掴んで離さないのは
登場人物の心の旅路にあるのかも知れません。
前作でも感じましたが、なぜ、ノーラン監督のバットマンがクリスチャン・ベイルなのか?
今回、それが納得できる、どこまでも善人で、気弱な眼差しのクリスチャン・ベイル
この人には哀愁の、オトナの男のダークナイトが嵌っています
ヒーローとは、愛する人を守ること・・・
マスクを被れば誰でもヒーロー。誰でもバットマン・・。
裏を返せばマスクの下は生身の人間。
今回は、傷つき、信じ、騙され・・・それでも帰ってくるブルースの
人間臭さ全開で描かれます。ヒーローモノに究極、避けて通れない自己犠牲の精神も含めて。
ラストのアルフレッド(マイケル・ケイン)のくだりは、ノーラン監督の愛でしょうか、
「インセプション」を思い出させますね。
そして、ジョン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の後姿にも期待させてくれて、もう大満足でした