あきらめることに慣れてしまった、
すべての大人たちへ――
製作年度 2011年
原題 DER GANZ GROsE TRAUM/LESSONS OF A DREAM
製作国・地域 ドイツ
上映時間 114分
監督 セバスチャン・グロブラー
出演 ダニエル・ブリュール/ブルクハルト・クラウスナー/ユストゥス・フォン・ドーナニー/トマス・ティーマ
ドイツ・サッカーの父として同国の人々から敬愛され続けているコンラート・コッホの実録ドラマ
1874年のドイツ。歴史ある街ブラウンシュヴァイクの名門カタリネウム校に、イギリス留学を終えた英語教師コンラート・コッホが赴任してきた。初めて教室に入ったコッホは、生徒たちのイギリスに対する強い偏見に驚き、授業にサッカーを取り入れることに。サッカー用語を通じて英語を教え、同時にフェアプレイの精神、チームプレイの大切さを教えていく。ところが、コッホの方針を快く思わない地元の名士たちがさまざまな圧力をかけてきて……。
先ずこの時代のドイツ。先の普仏戦争でフランスに勝利し自信を深め、イギリスとの覇権争いへと関心が向かい、国民の反英感情がかつてない高まりをみせていたという社会背景が簡単に映し出される。
学校教育も規律と絶対服従の場でしかなく、殆どの時間が「体育」に当てられる(笑)
そんな帝政ドイツの差別意識を当然のように子に植えつける親や、
大人によって監視され抑え付けられている名門カタリネウム校に、ドイツ初の英語教師として赴任してきた青年コンラート・コッホ。
彼は直ぐに生徒たちのイギリスに対する強い偏見と、階級による露骨なイジメを見抜き、
"楽しむ"ことを封じられ、抑圧された子供達にサッカーを取り入れた授業を始める。
コッホ先生が子供達に求めたもの、それは
チームワークと、フェアプレイ精神。
身体を鍛えることを目的にした「体育」とは違い、
蹴って、守って、仲間と共に攻撃するスポーツ。
楽しみのない子供たちは直ぐに夢中になり、ルールと共に英語を学んでいく。
そして、子供達が夢中になればなるほど、子供達の中に変化が訪れ、周囲の大人たちは
その変化を受け入れられず、コッホ先生は窮地に立たされるが――
自分達を救ってくれたコッホ先生を取り戻す為に、
子供達が知恵を絞って見出した活路とは
戦争に勝ち、その気運を引き摺って子供達をただ厳しく抑え付ける大人たちに
無力な先生と生徒はどうやって立ち向かったのか?
大ハプニングも、大スペクタクルもない。けれど、ムリに植えつけなくても、愛はそこにある。
我が子や、仲間を応援する気持ち。湧き上がる温かいもの、そこにあるもの
それを引き出す、――スポーツ
チームプレイとともに、子供たちは階級の垣根を自然に超える。
敵国イギリス生まれのサッカーをドイツが受け入れた瞬間は、温かいです♪
子供にとって息苦しい時代を、どこかユーモアを交えながら、爽やかに描いた1本。
色んな世代の方に観てもらいたいです