脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/窪田正孝/松田翔太/岡田将生/森田剛/塚本高史/杏/遠藤憲一/上川隆也
第37回 「殿下乗合事件」 10.5%
1170年、清盛は後白河法皇を福原に呼び、宋人と会わせる。治天の君が京を離れ、外国人と会うという前代未聞の行いに、貴族たちは驚がくする。そんな折、重盛(窪田正孝)の子・資盛(すけもり)が藤原基房(細川茂樹)に辱めを受ける事件が起こり、重盛が対応するが、なかなか解決を見ない。福原にいるゴッドファーザー・清盛は時忠(森田剛)に事を治めるよう命じるが…
第二部の本当にクライマックス時に感想を書けなくなり、随分久しぶりの記事になります。
その間に様々な登場人物が去来、清盛は嫡男重盛に棟梁の座を譲り、出家。
京から離れた福原で、若き日の夢を実現しようと、その準備に追われていた・・。
今週は、その清盛が描く夢の実現に手を尽くす、その手腕と、
平家一族を束ねるマジメな重盛の重圧の日々を描くと共に、
驕れる平家をちらつかせた回となりました。。。。
清盛は交易の場を大宰府から福原にする為、宋との国家間の貿易とする必要を感じ
強訴の一件から悪化したままの後白河法皇を福原に担ぎ出すべく思案していた。
その難題をいとも簡単に引き受けたのが、時子の弟、滋子の兄の時忠。
彼は後白河が何によって気持ちを動かされるのかを読んでいたのですね。
そんな平家の、治天の君をも動かす勢力を、日頃から忌々しく思っていた摂政・基房は、
京の橋で鷹狩りから帰る途中の重盛の嫡男・資盛(すけもり)と鉢合わせした際襲わせる。
礼儀を重視する重盛ならば、我が子が辱めを受けても摂政の基房に何も云えないと踏んでの犯行で、事実彼は"礼儀を失した資盛が過ち"と
この辱め、黙っておるつもりか!?資盛と摂政さまだけの事にあらず。平家一門と藤原摂関家の一大事であるから
「臆せず堂々と訴え出ればよいのじゃ!」との時子母の言葉にも黙して筋を通す重盛…
それが1170年、7月3日のこと。
1170年9月、清盛はついに福原に宋国の使者と後白河を招き、宋との交易を要とする国づくりが実現に一歩近づいた時、
清盛が時忠に都での憂いを取り除くように命じ―事件は起きる。
基房の輿が謎の武装集団に襲われ、まさかの報復に俄かに周囲の者に見直される重盛―…
「正し過ぎるという事は、最早間違っているに等しい」という時忠に任せたのは清盛。
重盛ではない――徳子とともに琵琶を弾く時子様は判っておいでのようでした…。
そして、現場検証(笑)をした重盛も総てを察する―。
一門の尊敬の眼差しに何も言えず、妻・経子と2人だけになると悔しさと敗北感に崩れる。
筋を通し、穏便に済ませようとした。しかし、それが自分の道なのだ!父ではない・・。
ドラマでは真面目な重盛の融通の利かない神経質な面のみがフォーカスされヘタレ男ですが
「心麗し」「心操穏やか」と評される彼には怒ると非常に怖い面もあったといい、
実はこの報復も彼の指示であったとも言われています。
平氏の棟梁となりながらも、大きな父という壁に、頑張っても報われない重盛の
苦しい心情が胸に響く窪田正孝くんの演技が光った回でした。