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死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実

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原題 You don’t know Jack
制作年 2010年
本編尺 136分
脚本 アダム・メイザー
監督 バリー・レヴィンソン
出演 アル・パチーノ/スーザン・サランドン/ダニー・ヒューストン/ブレンダ・ヴァッカロ/ジョン・グッドマン

1987年、デトロイト。医師のジャック・ケヴォーキアンは高齢患者の医療施設を訪れ、母親の死ぬ間際の苦しみを思い出す。図書館に通い安楽死について調べるにつれ、自殺幇助が有益であると考えるようになった彼は、医療用品店を経営する友人のニールに相談し、フリーマーケットで集めた部品を使って自殺装置“マーシトロン”を考案する。彼は装置を携え、生命維持装置を外したいと願う患者のいる病院へと向かうが……。
こちらは、2010年4月24日に「ザ・パシフィック」などと同じく全米HBOで放送され第62回エミー賞では、14部門で計15個の大量ノミネートを獲得し、
その年のエミー賞・主演男優賞と脚本賞を受賞している作品。

豪華な顔ぶれで描くのは、実在のアメリカの病理学者と、彼を理解し末期病患者の積極的安楽死の活動を行う人たちの闘い。
これは事実を元にした、ジャック・ケヴォーキアンの、信念の闘いを綴ったもので、
長いけれど、見応えのあるテレビ映画でした。

ドキュメンタリーかと思うほどに、淡々と、
死を望む「生かされている」患者と、その家族とカウンセリングを行い、
彼らの苦痛と生(死)の選択に耳を傾け…
彼らにもできる、最後のスイッチを持つ装置を考案する―ジャック・ケヴォーキアン。
その根底には、医師でありながら母の末期の苦しみに何ら手助けをする事が出来なかった
激しい彼自身の後悔の念があった…。

対象はガンや、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの不治の病を抱えた末期の患者に限られていたし、少しでもこれからの治療によって未来がある患者には
まだ希望があると、単なる自殺幇助には傾かないジャックとニール。

しかし、1980年代に筋萎縮性側索硬化症の末期の患者が自ら死を望んで訪れ、
ジャック・ケヴォーキアンは積極的治療に踏み切ると、――
マスコミに大きく取り上げられ、彼は一躍“死の医師(ドクター・デス)”と呼ばれるようになる。

噂をききつけて、末期患者がジャックとコンタクトを取り、
彼らの装置に自分の最期の意志を託す。
最終的にはその数130名。

自殺が許されないキリスト教などの反対運動は過熱する。
全米のマスコミからも注目を集め、安楽死の賛成派と反対派で激しく議論を戦わせるが、
作中のジャックは、自身の信念を曲げることなく、患者の声に耳を傾け続ける…

度重なる裁判の末に、彼がとった行動とは!?

これも日本でニュースが流れ、記憶にあるところです。
ショックというか、、でも、それはその覚悟と勇気に対して抱いたものでした。

医学が発達す事によっても生まれる、
しかし、その医療によってもどうする事も出来ない患者が、こんなにもいる。。。

医師ケヴォーキアンの、苦悩と葛藤から描きながらも、その目線の先に
患者側の絶望的な状況と、切なる声…が聞こえる。
医師の良心、人間としての尊厳、問われるものは深い.....。
終末期医療のあり方を、安楽死の問題を、考えずにはいられない作品でした。

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