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「メイドインジャパン」最終回

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円高、欧州債務危機、中国・韓国等新興国の追い上げ。
製造業が軒並み危機を迎える中、巨大電機メーカーが、「余命三か月」の倒産の危機に追い込まれた!
日本人にとって、会社とは、人とは何なのか?
「メイドインジャパン」は生き残ることができるのか?
テレビ60年記念ドラマ「メイドインジャパン
毎週土曜日 午後9時00分〜10時13分 全3回
作 井上由美子
演出 黒崎 博
出演 唐沢寿明/高橋克実/吉岡秀隆/國村隼/大塚寧々/酒井美紀/マイコ/平田満/及川光博/岸部一徳
譲原会長の策略により、ライシェをリチウム電池の技術盗用に伴う不正競争防止法で訴えることになった矢作たち。それはかつての友・迫田を二度切る行為だった。再建チーム内では柿沼が訴訟では倒産は防げないと判断し、桂一郎社長と共に会社更生法の準備を進めることになる。そんな中、迫田が自らの潔白を立証するため来日して記者会見を開くことに。対抗して矢作は同じ日に会見をぶつけ、迫田の違法性を暴こうと決意する。

いち早く会場に集結したメンバーを前にシュミレーションを始める矢作。
会見の趣旨を読み上げる矢作に、それでは足りないと、総務部部長付の宇崎(平田満)から突っこまれる。
迫田の行為は違法なのか、盗んだのか?そうではないのか?「これはそういう戦いなんですよ。」
長年人事畑を歩み、経営悪化に伴う大量リストラを推進していた宇崎は、迫田個人を追い詰める事の痛みから逃れようとする矢作に、
「その場に出ながら、刀を抜かないのであればやるべきではない。」
理解を示しながらも静かな口調で迫り、引導を渡すのが印象的でした。そして、
矢作も素直に聞き入れ、、、それからは
次々に投げられるであろう記者の、核心をつく質問を想定しながら6人は矢作を追い詰め、
矢作の迷いを消していく…―。
ちょっと臭い演出法ではあったけど、どこかで起きているであろうこんなコト。。
キャストの演技が素晴しく、ちゃんと戦う者の痛みが伝わったシーンでした。

主人公は唐沢演じる矢作ではありましたが、第2話では迫田のようでもあり、
最終回は、企業の危機に付いて回るリストラを実行する側の宇崎の存在が大きかったし、
再建チームのメンバーの存在も生かされていて、良かったと思います。

企業で戦う男の、私生活ではどうなのか?というところも、
矢作の家では、ちゃんと父親の背中を見て育った娘が、鎹(かすがい)となり、
迫田の息子も、父の、男の生き方に向き合い答えを見たと思えるし、
それぞれに戻っていくところが、ほんの少し変化していたし

タクミの取った最終手段に関しては、一抹の不安を隠せない私(苦笑)ですが、
このドラマは、日本の技術とか、頭脳(人)の流出という問題を
真正面から捉えたというところで既に評価できるドラマでした。
「目の前の相手より効率を重視した結果が招いた事態」とは、
財務課長・柿沼(吉岡秀隆)が矢作に向かって、2度放った言葉。だけど、結局、と私は思うのですが......

企業を助けるとは?
企業が生き残るために、何が必要で、何がいけなかったのか?

それを簡単に結論付けない、
切る側の男、切られた男。そして、それを批判する男。
だけど、
会社の危機に誰にも知られず、誰からも褒められず、戦って去っていったのは、
タクミのそれぞれの部署でも浮いていた、個性の強い7人だった。
普段から仲良しごっこを協調性と間違われたりして、個性は段々ハブられていてはダメな会社。
一か八か怖れずに立ち向かえるのは、案外そんな、ちゃんと主張するが為に疎ましがられている
彼らのような異端児たちだと言いたかったのかも知れない。



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