これが 本当の 私――
原題 BYZANTIUM
製作年度 2012年
製作国・地域 イギリス/アイルランド
上映時間 118分 映倫 R15+
原作・脚本 モイラ・バフィーニ
監督 ニール・ジョーダン
出演 ジェマ・アータートン/シアーシャ・ローナン/サム・ライリー/ジョニー・リー・ミラー/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/トム・ホランダー
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の鬼才ニール・ジョーダン監督が、約20年ぶりにヴァンパイア映画に挑んだヒューマンドラマ
神秘的な16歳の少女エレノア(シアーシャ・ローナン)は、彼女の保護者である八つ年上のクララ(ジェマ・アータートン)と共に海辺のリゾート地にたどり着く。一見姉妹のように見える二人は、長年定住することなく街から街へと放浪する日々を送っていた。実は、なまめかしい美貌を持つクララと悲しげな瞳を持つエレノアにはある秘密があり……。
アイルランド詩人イェーツの「ビザンチウムの船出」を題材に、永遠の孤独を運命づけられた少女の自立と旅立ちを描く。と、インタビュー記事にあるが、
主人公を孤独な若いヴァンパイアとしたことで、ある意味で取っ付きやすい作品になっているかも...。
クララの過去〜現在までのインパクトが強かったのと、
対照的なエレノアには、孤独より静かな闘志と自立が感じられた作品でした。
ただ、、舞台が北欧設定だった「ぼくのエリ〜」のような神秘性は感じることはなかったかな〜。
その部屋の居住者から招き入れられないと入れない、トカ、
ヴァンパイアを死滅させる方法は知っている設定でしたが、
日中の陽の光がOK~トカ、、その増殖(誕生)の方法が新しかった。
自分の存在を誰にも知られないように、身を潜めるエレノアの200年の孤独。
クララの悲しい過去。
ふたりの逃亡生活の始まりと、
流れ着いたある港町での運命を分ける出会いが語られ…―
200年の記憶を呼び戻す港町で、物語は動き出す。
引かれるように入ったピアノのある店では、退屈な時を過ごす老人がたむろしていて、、
エレノアは静かに自分の心を奏でていくのだけれど、
それが何よりも雄弁に彼女の切ない思いを語っていて、、
生きる情熱を無くした老婦人たちや、
優しいけど儚げな青年との出会いの場となっている、印象的なシーンです。
その青年フランク役のケイレブ・ランドリー・ジョーンズくん。
今回、そのヘアスタイルのせいか、
海外ドラマ(クリミナル・マインド FBI行動分析課)のメンバーで博士役のシュー・グレイ・ギュブラーに雰囲気がよく似てます!
年齢不肖な、妖しいカンジも似てるかも♪
クララが200年前に運命を分けた出会いがあったように、
エレノアも恋を知り、禁断の一歩を踏み出そうとする。
対照的なふたりの物語は、終盤に盛り込み過ぎな感じも受けましたが、
メインのキャストはそれぞれ魅力的で、
ヴァンパイアながら、生きるために奪う、強い女と、
その訪問を「天使」と呼ばれる、純粋な少女のコントラストで飽きずに楽しめました。