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紙の月

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NHK ドラマ10 (火)夜10時〜 全5回
原作 角田光代「紙の月」
演出 黛りんたろう、一色隆司
音楽 住友紀人
出演 原田知世/水野真紀/西田尚美/満島真之介/ミッキー・カーチス/冨士眞奈美/光石研

第1回「名前のない金」
女子高の同窓会で木綿子(水野真紀)と亜紀(西田尚美)が再会し、二人の親友だった梨花(原田知世)が起こした事件を語る。
梨花はパート先の銀行から1億もの金を横領し、海外に逃亡中だった。サラリーマンの夫・正文(光石研)との二人暮らしを守っていた専業主婦が、なぜ他人の金に手をつけたのか。若い男(満島真之介)に全て貢いだという報道を、木綿子たちは信じられない…。
逃亡している梨花の現在を語る高校時代の親友二人の回想で、
家庭に入って、子供も無い梨花が、実際はどんな生活をしていたのか、、
そして勤めに出てようやく気持ちが上向いたある日の、
夫の言葉、顧客の孫との出会いが語られる。。。

第2回「満たされた渇き」
梨花は銀行の資格試験に合格し、フルタイムで働き始めた。その給料でペアウォッチを正文にプレゼントするが、何かにつけて梨花を貶める夫は、さり気なく腕時計のこともけなした。
一方、梨花への憧れをストレートに表現する光太から誘われ食事をともにした梨花が「変わりたい」と口にすると、光太は強い口調で「そのままでいて」と言った…。
過剰なコンプレックスの裏返しが、決定的に妻の心を遠ざけてしまった場面…。
そして、傷ついた梨花が癒された光太の言葉に、取るべき道を誤った、、始め――。

第3回「清らかな罪」
借金を肩代わりしたことに光太が後ろめたさを感じないよう金持ちの演技を続ける梨花は、ゴールデンウイークを高級ホテルで光太と過ごすことに。だが、横領がばれるかも知れないという恐怖から、顧客に異変がないかを確認して回り、ゆっくり休むことは許されない。そんな中、自宅で預金証書を偽造していると、上海に単身赴任中の正文が突如帰宅する…。
お金の持つ万能感―を体現し、次第に加速していく梨花の献身的横領。。。
「いつかきれいに返すのだから。」と、根拠のない、自分への嘘。
ある夫婦の、正直でない愛が、こうして他人を不幸にしていく。――

第4回「楽園の終わり」
高級ホテルでの逢瀬になれた光太から「梨花さんと普通の時間を過ごしたい」と言われ、梨花は光太と住むためのマンションを新たに借りた。一緒に買い物をして一緒に料理を作り、笑いながら食事をする。正文とは決して持てなかった普通の時間に充足感をおぼえる梨花だが、光太が「お金のためにアクセク働くなんてバカらしい」とつぶやくのを聞き、心がざわつく…。
自分の寂しさを埋める為の行為が、貧乏学生だった光太を、すっかり鼻持ちならない青年に変えてしまっていた事に、今更気づいた梨花。
光太は「新しい現実が始まったね」と言い、会えば甘える癖に、彼には女の影がちらつき、光太自身の人生をも変えてしまっていた。
その罪さえ、みて見ぬふりを決めこむ、引き返せない梨花。

最終回「誰のための愛」
光太に若い恋人がいると知った後も、梨花はその事を告げずに光太との関係を続けていた。そんな折、正文が上海での単身赴任を終え帰国することが決まった。もはや正文との生活を想像できない梨花は光太との将来を相談したいと願うが、恋人と一緒にいる光太からは会うことさえ拒否されてしまう。そして、わかば銀行に監査が入ることが決まった。10日間の休みを命じられた梨花は、全ての記録を燃やして海外逃亡を企てる…。
これまでは、現在パートで映されるのは、海外の梨花の姿と、
彼女の親友二人。彼女たちを悩ませている現実のみだったけれど、
最終回で初めて現在の正文と、現在の光太も映し出される!


これはお金に振り回されてしまった、3人の女たちの物語であり、
強さの仮面を被って正直になれない弱い人間が陥る孤独と、そこから成長していく物語でもありました。

法を犯した梨花の発端は、夫婦のすれ違いだったけど、法を犯してはいないものの
彼女に思いをはせる、現在行き詰っている行き過ぎた倹約家の木綿子と買い物依存症の亜紀も同じだった。
一方は徹底してお金を切り詰め、もう片方は着もしない服を買いあさる―両極端のようで
実は何かをお金で埋めている。梨花と大きく違うのは、、、子供の存在だったかも。。。
自分の行為・生き方が、子供を不幸にするかも知れない!
愛する人を泣かせる、、そこがブレーキだったかと。
この二人を取り巻く家族を演じたキャストが全員素晴らしかったけれど、特に水野真紀さんが凄い

繰り返し挿入される、女学校時代の3人の会話。
どんなお金であろうと必要としている人がいる・・・と寄付に関して言い募る高校生の梨花。
「学校にいけない、アフリカの子供」......光太も傷ついていたと知る最終回。
救われる現在の姿でした。

「紙」でできた「月」。それは『It's Only a Paper Moon』を連想させるし、
「紙」はお金でもあり・・・まやかしの「月」なのだけど、
ここではないどこかを探していた、どこまで行けるか、
行けるところまで突き進みたかった梨花の、果てない憧れを想わせて、いいタイトルです。

ただの紙のお月さまでも、信じて観れば、見せ掛けだけのそんな月でもちがって観える
愛し合っていれば、なんだって幸せに感じた時のように・・・・

宮沢りえちゃん主演で、来年公開の映画化も決まっているようです。
他キャストも気になるけど、楽しみにしたいです〜。

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