製作年度 2013年
上映時間 120分
原作 佐藤泰志 『そこのみにて光輝く』(河出書房新社刊)
監督 呉美保
出演 綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/高橋和也/火野正平
何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家、佐藤泰志の
唯一の長編小説の映画化。
短い北の夏。ある出来事をきっかけに仕事を辞めてしまい、無為な毎日を過ごす男、佐藤達夫。ある日、パチンコ屋でひとりの青年、大城拓児と知り合う。彼は前科者でチンピラ風情ながら無垢で憎めない奴だった。そんな拓児は海辺に建つ粗末なバラックに家族と暮らしていた。そこで拓児の姉、千夏と運命的な出会いを果たす達夫。
しかし千夏は家族を守るために自らの人生を諦め、絶望の中に生きていた。―
毎日酒に逃げ、生き場所を求めて彷徨っていた達夫。
ここでしか生きられないと、全てを諦めていた千夏...。
そこから出られることを夢見ていた拓児・・の3人が出会った――海沿いの町。
病気で寝たきりの親を抱え、陽の射さない人生を懸命に歩いてきた姉弟に訪れる
ある夏の奇跡.....
夏の暑さがのしかかり、喘ぎながらようやく生きているひとの
苦しい、熱い吐息が感じられるような描写で埋め尽くされていますが、
そこに描かれる、愛の重さが揺るがないので苦しいけれど美しい。。
鉛のように重い家族。そこを逃げ出したい。けど、逃げない。
逃げずに泥にまみれても、中身は汚れていない。
だから、生々しいラブシーンも、殆ど神聖。
描かれるのは、厳しい現実に心折れながらも、その重い荷物を背負ったまま生きる姿。
巡り合った相手の運命もその手で掴んで、、生きていくと言う事。
この映画の中で描かれる、地を這うように生きて辿り着いた男女の出会いの物語は、
ひと口に感想は言い難いけれど、
キャストの演技は一言で十分!少ないキャスト全員が素晴らしい!のよ。
静かに展開される120分。その間、ずっと緊張感を保って見守り続けられました
綾野クンと菅田くんは、来月公開の『闇金ウシジマくん』でも共演で、これも楽しみです!
脱げば体当たり演技と高評価傾向の女優論にはとっても否定的なのだけど、
「凶悪」でも凄かった池脇さんは、どの作品でもその心情描写は素晴らしいです。次回作は
能年玲奈ちゃん主演の『海月姫』で、コチラでもまた菅田くんと共演とか。
もう、嘗て男闘呼組のアイドルだったとは信じられない高橋和也サン、
イイヒトからこんな凄みを効かせる役まで!いい役者さんです
高橋サン、次は唐沢さんとのドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」でマネージャーですね
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