原題 LE CONCERT
初公開2010年
上映時間 124分
製作国 フランス
監督 ラデュ・ミヘイレアニュ
出演 アレクセイ・グシュコフ/メラニー・ロラン/フランソワ・ベルレアン/ミュウ=ミュウ/ドミトリー・ナザロフ
かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレは、今はさえない劇場清掃員として働いていた。ある日、出演できなくなった楽団の代わりのオーケストラを探しているというFAXを目にした彼は、とんでもないことを思いつく。それは、いまや落ちぶれてしまったかつての仲間を集めて楽団を結成し、コンサートに出場するというものだった。
公開当時、かなり評判が良かったコチラの作品、録画鑑賞。
アチラのユーモアのセンスを受け入れられるか、が結構比重が高いポイントになる。
ソ連時代、国がユダヤ人排斥の政策を強行、ユダヤ系の演奏家たちも例外なく排斥されることに反旗を翻した天才指揮者は、
音楽界から追われて30年。現在の楽団員の練習を観る事も禁じられ、
劇場の清掃夫に甘んじていたが、彼の脳内にはいつも音楽があった。
そんなアンドレに千載一遇のチャンスが降ってきた!
奴らの代わりに俺たちがパリに行くんだ!
何としても。昔の仲間で!
ソリストのアンヌ=マリー・ジャケとチャイコフスキーは譲れない!!
アンドレは元チェロ奏者、サシャの救急車を足に共に音楽界を追われた元楽団員の元へ。
今はタクシーの運転手、蚤の市業者、ポルノ映画の効果音担当など
楽器から離れて生計を立てていた人などを集めまくり、
ボリショイ交響楽団に成りすまして憧れのパリに降り立つ一行の喧騒の日々。
カネ無し、人なし、時間無し!という、まるで『超高速!参勤交代』のよう(笑)
ここでもパスポート無し、を乗り越えるウルトラ業が(笑)
幾つもの障害を強引に、生き生きと、ユーモラスに乗り越えていくのだが…
人の寿命的には、30年は半分より短い。
だけど、円熟期からの30年は、、如何にも長い。。。が、アンドレは諦めない。
失われた30年は取り戻すことは出来なくても、
取り戻したかったモノ!
答えはラスト10分ほどの彼らの演奏の中で明かされる。
パリ到着以降の団員たちの行動など、よりドラマティックに、の展開が、
如何にも都合良すぎて、心は「あり得ない!」と叫んでいるのに
圧巻のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲に心を持って行かれる、やられてしまう1本。