あの頃、だれもが一生懸命でまっすぐだった
製作年 2010年
上映時間 1時間48分
原作 辻内智貴『信さん』小学館刊
脚本 鄭 義信
監督 平山秀幸
出演 小雪/池松壮亮/石田卓也/柄本時生/小林廉/中村大地/金澤美穂/村上淳/岸部一徳/大竹しのぶ
もう6年前の作品になるのですね・・。
当時観たいリストに入れながら、地元公開がなく観そびれていましたが、
先日TOKYO MXキネマ麹町でやってくれました♪
「必死剣 鳥刺し」「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男」-「エヴェレスト 神々の山嶺」の平山秀幸監督作品
昭和38年。福岡県の炭坑町に小学生の守(中村大地~池松壮亮)と共に帰って来た美智代(小雪)は、ある日、悪ガキたちに囲まれた息子を“信さん”と呼ばれる少年(小林 廉~石田卓也)に助けてもらう。
親を早くに亡くして、街では厄介者のように扱われている信さんは孤独だったが、事件を機に優しく接してくれる美智代にだけは心を開くようになる。
都会からこの小さな炭坑町に越してきた、大人しい少年・守が、
ひとつの出会いによって町に馴染み、逞しく成長していく一方で、
その出会いはまた、信さんにとっても生涯をかけた大切な出会いになり、、、
けれど、信さんにもこの炭坑町の大人たちにも、
高度成長の時代の波は、確実に直ぐ傍まで押し寄せてきており、
厳しい現実は容赦なく、子供時代を奪っていく…―
優しさに餓えた日々の中で、信さんにとって美智代は特別な存在になる。
それは母親への愛のようであり、淡い恋心のようでもあり…大切に一途に想って成長する過程が
妹や守の目線で捉えられたりしながら描かれていくのが楽しく、
美智代も嫉妬や羨望の中でひとり子育てをしながらも、息子とは違う、
自分を慕う信さんを、特別な愛情をもって関わり続けるが…
それは、最初の出会いから、
痛みを包み込む彼女の優しさと、誰からも愛を受けられなかった少年の
自然でピュアな心の結びつきだと、、自然に受け入れられる。。。
池松壮亮くん目当てで観たかった作品でしたが、
聖女のようなバツイチの美智代@小雪も、
“信さん”の想いを知る守@池松くんの九州男児っぽさも、
虐めに遭いながらも家族で支え合う李親子の岸部一徳、柄本時生も、
なりふり構わず生きて、貧しさと闘う“信さん”の育ての親の大竹しのぶさんも凄くよかった。
ひとの心の純粋さと、強さに触れて
何度かたらたらと涙が流れてしまうシーンがありますが、
後味は優しい、素敵な作品でした