心の種はやがて大きな花を咲かせる
上映時間 106分
脚本 安倍照雄
監督 佐々部清
高梨臨/斎藤工/池内博之/津田寛治/辻伊吹/海老瀬はな/安倍萌生/升毅/吉沢悠/田中麗奈/永島敏行
日本の第一次産業で働く人々の人間模様を描く「種まく旅人」シリーズの第3弾。岡山県赤磐市を舞台に、新種の桃の品種登録を目指すヒロインと、東京からやって来た農林水産省の若き官僚が、互いの夢を通して心を通わせていく姿を描く。
桃の名産地として知られる岡山県赤磐市。市役所で働きながら桃を育てる27歳の片岡彩音。女優を夢見て東京に出たものの、兄の病をきっかけに帰郷し、彼の死後はその遺志を継いで新種の桃“赤磐の夢”の品種登録を目指していた。そんなある日、農林水産省の職員・木村治が桃栽培の現場調査を訪れる。最初は軽薄に見えた治に反感をおぼえた彩音だったが、様々な現場を案内して回るうちに、日本の農業政策を改革したいという彼の情熱を理解するようになっていく…。
彩音は女優の夢を諦めて、兄の夢だった新種の桃「赤磐の夢」を品種登録することに懸けている。
その兄もまた天文学者を志しながらも、妹たちを育てるため、家業家業を継いだのだった。
そんな彩音の住む町に農水省の、良く喋る男・木村が現れ、案内役を頼まれる。。。
木村もまたお役所仕事の中で、本来の自分を見失いかけていて…―
人は誰も、種を蒔かずして収穫の時を迎える事はできない。
種を蒔き、芽吹いたら栄養を与え、花が咲いたら手を添えて、実がなったら守り…
本当に、これは人生のようです。
夢という種を蒔き、愛情を与え育て、絆を強くし、、それが困難な時期に力になる。
まさに、それを教えてくれる彩音の頑張りであり、
彼女を見守る周囲の人たちであり、
木村にとっての出発点である兄夫婦であり、農水省の上司の太田の眼差しであろう。
この物語には悪い人は一人も出てこない。
ただただ、人手不足という厳しい現実と、品種登録というお墨付きを得る事の困難さがあり、
頑張るヒロインの、親戚のおばちゃんになったような気になり、(私ですが
胸があつくなるシーンもありました。
「此処はどこだ?」と訊かれて、「赤磐・・」と答えて微笑みあえる...。
そこが凄い。ってか、羨ましい
後継者不足、地方の高齢化など、深刻な問題も隠れているけど、
愚痴らず精一杯走り回るヒロインも素敵だったし、
最初は空回り気味の木村を演じた斎藤工さんがエロくなくて(笑)よかった
その木村の兄貴夫婦が、最初の「種まく旅人~」の吉沢悠くん&田中麗奈ちゃん♪
この二人は佐々部監督作品「夕凪の街 桜の国」にも出演してましたね。
そして、シリーズを通して農林水産省の太田役に永島敏行さんですが、彼は農林水産物に詳しく、
わが街でもマルシェを定期的に開催されているので、
生トウモロコシを頬張るシ-ンは似合いすぎてて笑った
やたら桃が食べたくなりますが、あの桃の香りのお酒!飲んでみたいです
佐々部監督らしく、派手なところはないけど、温かく爽やかなドラマです