脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/三上博史/藤木直人/山本耕史/松田翔太/森田剛/田中麗奈/武井咲/小日向文世/和久井映見/上川隆也/阿部サダヲ/井浦新/中村梅雀/中井貴一
第15回 「嵐の中の一門」 12.7%
家盛(大東駿介)は、頼長(山本耕史)の謀略にはまり失意のうちに落馬死する。家盛の死に絆強き平氏一門は初めて大きく揺れる。だが家盛の死は清盛(松山ケンイチ)のせいだとする忠正(豊原功補)らの反発をよそに、忠盛(中井貴一)は清盛に鳥羽院(三上博史)のための高野山再建の名代という大役を任せる。清盛は家盛の供養のためと再建にまい進。そんな時、頼長は忠盛に家盛の死の真実を告げ、忠盛は初めて我を失ってしまう。
清盛が神輿に矢を射た一件以来、事実上表舞台から遠のき、わずか2年ほどの間に目覚ましく出世した家盛の突然の死に、大きく揺れる平家の人々と、
弟の死を悲しませてくれない、清盛を襲う疎外感。その中にあって変わらぬ支えとなる人たち。
そして、やがて嵐を耐え人々が己を取り戻すまでを描いた回。
嵐の中でほとばしる心の叫びに、何度も泣かされました・・・
1149年3月、
熊野詣の帰途落馬した家盛はそのまま帰らぬ人となり、宗子は悲しみのあまり取り乱す。
「触るでない! 家盛に、、触るでない!」清盛に弟の亡骸にすら触らせなかった・・。
忠正に至っては家盛が死んだのは清盛が神輿を射たことで平氏が呪詛されているからだと言い、「お前が死ねばよかったのだ」と言う始末。
表向きでは決して知ることのない宗子と忠正の心の奥に潜む真実に時子が初めて触れた瞬間。
益々肩身の狭い清盛邸に現れた弟・時忠は後悔しているのではないかと姉に訊ねますが、
「確かに想い描いていたお方とは違います。思うておったよりもずっと.........寂しいお方。
誰よりも、人恋しく生きてこられたお方。私は断じてお傍を離れはしませぬ」と答える時子
また弟の頼盛が訪ねて来て、家盛の最期の言葉が「兄上」だったことを伝えていく―。
で、いちいち大仰な兄・清盛が苦手だと、何気にクールさを主張、少年らしいまじめさを印象付ける。
喪が明けた挨拶の場で、鳥羽院に高野山の宝塔再建を命じられた忠盛は、自分の名代を清盛にと願い出る。
清盛が下見に出かけた高野山で、西行となった義清とほぼ十年ぶりに再会。
ここは別に要らないんじゃないかと思いましたが、ここで詠んだ西行の和歌が、後の感動のシーンの伏線だったという事が解ります。
1150年に近衛天皇が元服すると、藤原摂関家の兄弟の争いが激化する。
弟・頼長(山本耕史)が先に養女・多子(まさるこ)を入内させると、兄・忠通(堀部圭亮)は得子の養女・呈子(しめこ)を自分の養女として入内させるという具合
その忠通側の入内のプロモーションとして集められた美女の中に、義朝の説得で常盤が宮中デビュー。
一方で、崇徳院の御所で暮らす父親違いの弟・雅仁親王の様子が映し出され、
何かを求めて得られない崇徳院と、今様三昧だけど鋭い雅仁親王の対比がちょっと胸騒ぎ。
また源氏では、かつて平氏・忠盛の暗殺を命じた藤原摂関家に忠節を誓うパパ為義と
義朝との間で溝が生じていた頃・・・
平家では家盛の一周忌があり、その席で清盛の生みの母・舞子の志を守ったが為に家盛は死んだのだと、
形見の鹿の角も供養の品目に入れて欲しいと宗子は感情を爆発。
清盛の高野山再建に無力感が漂いますが、、、訪ねて来た西行の
「今は、嵐の中に身を置き、このつとめを一心に果されよ。さすればきっと見られましょう。
風雪を耐えしのんだ者だけが見られる美しきものを。嵐の中の一門の為、よそ者のお手前にしか出来ぬことが、きっとござります」決壊〜
との言葉に、立ち直るきっかけを貰い、常明という絵師と曼荼羅の制作を始めます。。。
がっ!!
ここで忠盛の前に現れたドSの頼長。ネッチリと家盛が死に至った顛末、自分との関係を暴露。
怒り心頭の忠盛はその勢いのまま曼荼羅製作中の清盛邸に現れ「止めよ!」
いつか報われる日が来ることを信じて鬼にも蛇にもなれたが、違うたと、無念の思いを吐き出し、
それでも曼荼羅を仕上げようとする清盛に怪我を負わせて、、「平家物語」にもある金剛峯寺金堂の「血曼荼羅」が出来るシーンとなるわけですが、
ここは、この流れでは絵師が血を混ぜるというより、清盛自らの血でとした方が自然でしたね。
今回はどの場面をとっても、役者の熱演もあり心を掴まれっ放し。
1話で45分じゃ収まらない内容でした。いっそ1時間にして欲しいぐらいです〜。
宗子殿は、どうしても勝てない舞子への長年の嫉妬と苦しみが、
家盛の死という悲しみに、矛先を清盛と忠盛に向けて爆発させますが、最後には
家盛があれほど願った笑顔で、恨みを洗い流すのでした…ここはもぅ大号泣、、
ああ、それなのに、来週はパパ忠盛が・・・〜〜中井さんっ、逝かないで!