脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/藤木直人/松田翔太/山本耕史/森田剛/西島隆弘/小日向文世/和久井映見/阿部サダヲ/中村梅雀/井浦新/上川隆也
第20回 「前夜の決断」 11.8%
1156年(保元元年)、崇徳上皇(井浦新)たちに謀反の疑いをかけた信西(阿部サダヲ)は、武士たちに後白河天皇(松田翔太)につくように命じるが、平清盛はどちらにもつかないと宣言する。一方、源義朝は、父・為義(小日向文世)と決裂、後白河側につくことを決断した。そんな中、後白河は清盛を自邸に招き、サイコロを投げつけ、即座の決断を迫った。後白河の挑戦的な態度に闘争心を駆り立てられた清盛は、後白河に味方することを約束するが、弟・頼盛(西島隆弘)だけは反発、ひそかに崇徳側に寝返る用意を始める……
今回は、この物語前半の最大の山場となる保元の乱の前夜を迎える平家を率いる清盛の処し方と、
早々に血を分かつ戦いを決めて父・為義と敵対する後白河天皇方についた義朝の苦悩、
その清盛や義朝を支えるはずの者達の心の揺らぎを描いた回でした。まさに男のドラマでした。
失脚の憂き目にあった左大臣・藤原頼長が崇徳上皇に近づくや、すぐさま謀反の疑いあり!と
後白河帝をお守りせよと信西が武士を招集。
崇徳と後白河の兄弟の争いは、実は頼長と信西の争いであった。
清盛の館に平氏一門が集まるが、清盛は態度を保留。
双方を待たせて戦の後の恩賞をつり上げるという方針を下した。というのも、亡き父・忠盛は
あと一息というところまで上っておりながら、公卿になれなかった。公卿になれぬでは政に関われぬ。政に関われねば、世を変えることはできぬと言う。
が、
後白河帝に呼び出された清盛に「忠盛の遺した志などかなわぬぞ」と
サイコロを投げてでも早く態度を決めろと言われてしまう。
見透かされていたことで清盛も後白河帝の挑発を受けて「この戦いにも後白河天皇にも勝ってみせる」と、帝側につくことを決断。
しかし、頼盛は平家の血を絶やすことは自分が阻止するとばかりに上皇方につく決心だったのだが・・・
戦を前に、女達も描かれる。
義朝が連れて来た常盤と子供達を、正妻・由良は静かに迎え、親子で敵味方に分かれる戦いに沈んでいる夫を
存分に働くようにと声をかけ送り出す。
一方の清盛たちは、親戚である家成の娘・経子の屋敷に身を寄せ、
初陣の二人の息子を前に、時子が
「卑怯未練な真似はせず、存分に戦ってまいれ。されど、ゆめゆめ命を粗末にするでない。決して無駄に捨てるではないぞ。」と声をかけ、
「殿も、必ず勝って無事でお帰り下さいませ。そして、この子の顔を見てやって下さりませ」と
新しい子の宿るお腹をさすってみせる。
この時、時子が重盛たちにかけた、卑怯未練な真似はせずの言葉が、なんとも意味深い。。。
そして、出陣を迎える清盛の前に頼盛が現れ、叔父・忠正が上皇方についたことを知らせる。
頼盛の思いも酌んで、頼盛の戦後の立場を考え言わば身代わりのような寝返りでしたが、
「わしとお前の間には、絆など、はなっからないわ!」と清盛に言葉を残す忠正の真意は
清盛には届くのでしょうか・・・。
また乳兄弟の鎌田正清の立場を思う、為義パパ(小日向文世)と、鎌田通清(金田明夫)の、
この期に及んでも義朝を案じる正清の心中を察しての計らいにも親子の情を感じて、
良いシーンとなっていました。
この保元の乱については、先日放送された「源平合戦!宿命のライバルの原点を追う〜」で、
窪田くんが実際に現地、京都を歩いて紹介していたので、
その当時の距離感とか足取りが想像できて、より愉しめた感じです。
この
源平合戦!「宿命のライバルの原点を追う〜平清盛vs源義朝〜」
このあと21(月)24:50〜25:40 【NHK総合1・東京】放送ですよ〜。
さて、来週は戦い本番。期待しましょう!