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夜行観覧車 1・2話

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高級住宅街のエリート一家で起きた殺人事件を3世帯の家族を中心に描いたサスペンス
毎週金曜 22:00〜22:54 TBS系
原作 湊かなえ 「夜行観覧車」(双葉社刊)
脚本 奥寺佐渡子 清水友佳子
演出 塚原あゆ子 山本剛義
出演 鈴木京香/石田ゆり子/宮迫博之/杉咲花/安田章大/宮崎香蓮/中川大志/田中哲司/夏木マリ/高橋克典

第1話 高級住宅街の殺人!渦巻く悪意…家族崩壊
2013年1月。誰もが憧れる高級住宅地「ひばりヶ丘」で事件が発生した。
遠藤真弓(鈴木京香)の憧れの、向かいに住む淳子(石田ゆり子)の家の前に救急車が停まっている。
夫の啓介(宮迫博之)は、ドアの覗き穴から青ざめた顔を押し付けるように覗いていて、娘の彩花(杉咲花)は、薄暗い荒れた部屋で頭を抱え込むように丸まっている―。
そして、観覧車は未だ建設中の、2009年9月の、遠藤家がひばりヶ丘で一番小さい家に引っ越してきた日に話は遡る―。

典型的な庶民派でありながら、度を越した真弓の虚栄心の強さが少しずつ露わになっていく。
憧れを憧れのままですまさない。
家のローンも余裕があるわけではないらしいのに、
「ひばりヶ丘」の住民になったから、ロクに準備もしてないで、
小6の娘を高橋家の娘が通う私立校を受験させようなど、
無謀過ぎて頭が悪いとしか思えない真弓の単純さは罪ではないのか。


ささやかな幸福を感じていた仲良し家族、しかし、真弓が自分の更なる憧れの生活にと家族を引っ張る先には
自分だけが気づかない格差が歴然とあり、
その虚栄心の強さのためか、かなり鈍感な真弓。
その為に世間知らずの娘の彩花が先ず犠牲になり、小島さと子に洗礼を受ける―。
子供を招いたパーティーで恥をかかされた彩花を、優しくフォローする淳子。
向かい合わせた2つの家族は急接近し…―

湊かなえの描く痛い母親像、とりわけ女の内に潜む虚栄心や残酷さ、母性と見紛うエゴが
ここでもザックリあぶり出され、
2013年に起こった高橋家の殺人事件の、動機と真相をめぐるサスペンスは、
現在と、過去の3家族の出来事を織り交ぜながら進行していく。

街のシンボル的観覧車が、完成形の現在。建設途中にプレイバックで過去、と
解りやすい時間軸の移動となって、
3家族のポジションを描きながら、登場人物の心理もキチンと描ききっていて
とても惹きつけられた初回でした。
                        

第2話 美しい街に隠された秘密…謎の失踪
2013年、刑事の結城(高橋克典)は、弘幸(田中哲司)が殺されて、慎司(中川大志)が行方不明になっている事件の捜査に乗り出す。2010年4月、私立の受験に失敗した彩花(杉咲花)は、小学校の級友・志保たちと同じ公立中学に入学。比奈子(宮崎香蓮)や慎司と顔を合わせるのは複雑な心境だ。一方、真弓はさと子(夏木マリ)から春崎家での結婚披露パーティーに誘われるが、祝儀が一律10万円だと知り戸惑う。
(あの幸せそうな家に事件が起こるわけがない。
   もし何か事件が起こるとしたら、それは・・・ウチの方だ・・・―)

 2013年1月22日、事件当日。真弓は、そうつぶやいていた。。。
騒然としている事件直後の高橋家の写真を撮ろうという彩花をたしなめるが、
「あんなに仲良くしてもらったのに」という真弓に「仲良かったのはアンタだろ!」
母のお願いで清修学院を受験して失敗して、、
公立中学で虐められている彩花は今、母親をアンタと呼びペットボトルを投げつける娘に…

2010年、高橋家は慎司の入学した清修学院に、遠藤家は坂ノ下の公立中学の入学式に。
それぞれの春を迎えて幸せな2つの家族。
そんな家族の後ろ姿をみながらプライドの高い「ひばりヶ丘」のセレブ妻たちは、
「チョット文化の違う遠藤家」に対して、住むのは勝手だけど越してきただけでひばりヶ丘の住人にはなれないってことが、追々解ると予言する

住人の誰が結婚しても、一律指1本(10万)を1万だと解釈する真弓は
驚きながらも次に口にしたのがどういう格好で行けばいいのか?「気楽な会」という言葉で出かけると
出席者は全員訪問着だった―。
前回彩花が味わった辱めを、今度は真弓が味わう事になるが、鈍感な女は強い。
一人でベンチに座る真弓に、事前に教えてあげればよかったと慰める淳子に
「ひばりが丘に慣れたつもりでいたけど、まだまだだね」
・・・鈍感な女は強い........。

しかもこのお披露目会の10万を引き出すと、真弓の預金残高は6千円。。。

高橋家の子供部屋の改装に行った啓介(宮迫博之)は、思わず口にした独立に、
弘幸は1千万の融資を申し出て、啓介は一旦は断るが、心はゆれる。
―無理して家を建てる前に、独立のハナシを考えても良かったのではないか―

そういう啓介に、家を建てたのは彩花の為という真弓。
また新しい服を買った真弓にいくら外観を変えても中身は変わらないという啓介にも、
「・・・そうかなぁ〜・・・?」

そんな真弓だもの、家の前まで来ていながら彩花に会おうとしない同級生達の変化や、
高橋家と家族ぐるみの釣りに出かけない彩花を不思議に思わない・・・。
可哀想なくらい想像力がないみたい。。。

実は淳子は弘幸の後妻で、デキのいい長男の良幸(安田章大)は先妻の子であると打ち明けられる。
バスケで評価されていても、実の息子慎司の成績不振に淳子は心を痛めていた。

そして―2013年1月22日、事件当日。
錯乱状態で事情聴取もままならず、入院していた淳子は病院から姿を消し、
結城(高橋克典)に事情を訊かれていた比奈子は、行方の分からない弟を心配するが・・・

何で真弓は「ひばりヶ丘」に憧れたのか?何を観てたの?
街が美しいから?高級住宅地に住む人が幸せそうだから?
そこに住めば自分も高級になり、幸せになれると思ったのか?
その割に、洗濯物の干し方で注意を受けるなんて、、、ダメじゃん
でも、、、もう一度言いたい。
鈍感な女は強いんです。
でも、普通はそうじゃない。
きっと傷つき、折れてしまう。
そんな普通の神経を持った人たちが、これからもっと傷ついていくお話なんだろうな・・・

明かされていく過去はきっと陰惨なものかも知れないけれど、
現在の、傷つき行き場をなくした高橋家の人たちを見守って行きたい。


第3話「狂い始める家族の歯車…逃亡する母子」は明日10時から放送です。

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