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ソハの地下水道

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原題 IN DARKNESS
製作国・地域 ドイツ/ポーランド
製作年度 2011年
上映時間 143分 映倫 R15+
監督 アグニェシュカ・ホランド
出演 ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ/ベンノ・フユルマン/アグニェシュカ・グロホウスカ/マリア・シュラーダー

ナチス・ドイツに支配されたポーランドで、ユダヤ人を地下にかくまった水道労働者ソハの実話を基にした人間ドラマ
1943年、ポーランド。下水修理と空き巣稼業で妻子を養っているソハは、収容所行きを逃れようと地下水道に繋がる穴を掘っているユダヤ人たちを発見した。ドイツ軍に売り渡せば報奨金を得られるが、狡猾なソハはユダヤ人たちを地下に匿ってやり、その見返りに金をせしめようと思いつく。ソハは迷路のような地下水道の構造を最も知り尽くした男なのだ。

舞台は1943年当時はポーランド領だった(現・ウクライナ共和国)ルヴフ。
ユダヤ人を隔離して居住させるゲットーがある町。
ある日ソハは彼らが地下水道に逃げる穴が開通したところに行き合わせ、
通報よりも長い期間金をむしり取る方を選び、彼らを迷路のような地下水道に匿う。

お金を払い匿って貰う側と、金の為に危険を冒すポーランドの姑息な労働者のソハ。
お互いに信じきれない関係だが、バレれば双方共に命はない。
僅かに数十センチのコンクリートの路の下。
迷路のように入り組んだ地下水道の闇の奥に、彼らの活路はあるのか、、、?


ホロコーストの嵐が吹き荒れるナチス占領下のポーランドの地下に広がる闇の隙間。
カメラは、暗く陰湿で悪臭が漂い、不衛生な地下で息を潜めるユダヤ人グループと、
報奨金目当てにユダヤ人を捜すポーランド人とドイツ兵、ソハの生活する地上を行き来する。

昨日までの普通の暮らしを捨てざるを得ない、迫害の標的にされたユダヤ人たちの、
生々しさも悲哀も、
胸が詰まるような実態を描きながら......でも、主人公はソハ。

お金目当てで関わったソハという、生活の為にはコソ泥も平気な平凡な中年男の
胸に芽生える善への危険な誘惑―。
ささやかな彼の家族をも危険に晒し、幾度も押し寄せる危機を掻い潜り、その誘惑と闘う中、
平凡な下水修理の男に最強の試練が訪れる――

ポーランド映画ということで、キャストはほぼなじみがなく、
唯一「ニーベルングの指環」(未アップ)のベンノ・フユルマンだけでしたが、
知らなかっただけに、久々に彼が観られて嬉しかったです。
実話ベースの戦時中の物語としては地味で動きのない地下水道という限定された舞台設定ですが、
後半のドラマは臨場感がありグッと心にチカラが入ります。

アグニェシュカ・ホランド監督はポーランドのワルシャワ生まれで、
レオの「太陽と月に背いて(1995)」(未アップ)のしか観てい無いんですが、
アメリカCBSのドラマ「コールドケース 迷宮事件簿」も演出に参加されていたのは知りませんでした。
何年かぶりに「太陽と月に背いて」若きレオを観てみたくなりました♪

余談.
場面がほぼ暗い為、せっかくのベンノ・フユルマンのガラスのような透明な瞳が生かされず
そこはちょっと心残り、、、、

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