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ぼくたちの家族

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製作年度 2013年
上映時間 117分
原作 早見和真
脚本:監督 石井裕也
出演 妻夫木聡/原田美枝子/池松壮亮/長塚京三/黒川芽以/ユースケ・サンタマリア/板谷由夏/鶴見辰吾

ひゃくはち」の作家・早見和真の小説を、『舟を編む』の石井裕也監督が映画化した人間ドラマ。
重度の物忘れにより病院で検査を受けた玲子(原田美枝子)は、末期の脳腫瘍で余命1週間と宣告される。そして認知症のような状態になった玲子は、それまで話すことのなかった家族への本音をぶちまけ、長男・浩介(妻夫木聡)、次男・俊平(池松壮亮)、夫・克明(長塚京三)はうろたえてしまう。やがて経済破綻や家庭内不信など、ごく普通の家族に隠されていた問題が明るみに出てきて……。

夫は、妻に何か異変を感じていながら大した事じゃないと思いたかったのだろうか。
長男も独立。次男も大学近くでの一人暮らし。
妻の異変に気が付くのは、夫婦二人暮らしである以上、夫であるはずが......
たまたま長男の嫁家族との食事の席があったことでようやく発覚。。。
見過ごせない状況にようやく気が付いて、長男と夫は病院に行くが…―

病気は突然やってくる。
「1週間だなんて急過ぎませんか?」「1週間て、何の単位だ!?」
余命宣告とほぼ手遅れ、成す術なしとの宣告を受け、固まる親子。

「こんな時には、、笑おうよ・・」
久々に膝を突き合わせたこの家族は一体どうするのか?

脳腫瘍の影響で、玲子の記憶が混濁する中、家族のこれまでと、厳しい現状が暴かれる。
見栄っ張りの夫は優柔不断。会社を経営しているとは聞こえはいいが、実は借金まみれ。
妻にもお金を渡してない、など、母のサラ金通いも発覚。

大人しく生真面目な長男は、母が自分と父を認識できない時に弟に語った言葉で
かつて自分が引き籠っていた時に、母の人生を変えたということを知り責任を感じ、、
どこか冷めていながらも調子よく人と渡り合える弟に
正面から向き合う。

長男・浩介は、ニッチもサッチも行かないこの沈みかけた船の舵を取る覚悟を決める。
精一杯あがいてみせる、覚悟を決める。
そこからの闘い――

これは原作者の早見和真が、自らの実体験を元に描いた作品だということですが、
家族に何かあって初めて浮き彫りになる、誰かの犠牲や、献身。
誰かの無責任や、決断力の無さが傷を深め、家族が機能しなくなっている事―。
それでも、過ぎた日には立ち返れなくても、
今、行動することで、明日は変えられる。

そんな、見た目には普通の、ありふれた家族の物語。昔は家族ドラマなんて観る気もしなかったけど、
これは現代にはよくある、壊れているのにも気づかない家族を写した映画でした。が、

マジメで優しいだけの長男が、少しずつ変わっていく様子に瞼を熱くし、
不器用な父親が、息子たちに触発されて変わる様子に目尻を下げ、
若者らしくラッキーアイテムを信じて出陣する(笑)次男坊に笑いながらもうるるとなり、
どちらかというと弱い部類の人間の、彼らの戦う一週間に、
きっと、何か....を手渡されます。

情けない感満載の父親の長塚さん
真面目で平凡で、内気な長男のブッキーはもちろん上手いですが、
どこかでいつも家族を客観視してる次男を演じた池松クン
ドラマ「 MOZU」の新谷とは180度違う普通のお気楽大学生が新鮮です
そして、時々他人になっちゃう、乙女になっちゃう母・原田美枝子さん
この4人が、繰り広げる「ある家族の姿」。
追い詰められて、情けなく、滑稽で、みっともなくて・・だけど一生懸命が愛おしい、ある家族。
それは――、どこかで通じる私たちの物語でもある気がしました。

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