
原題 THE PLACE BEYOND THE PINES
製作年度 2012年
上映時間 141分
監督 デレク・シアンフランス
出演 ライアン・ゴズリング/ブラッドリー・クーパー/エヴァ・メンデス/レイ・リオッタ/ベン・メンデルソーン/デイン・デハーン
ある罪を巡る父親同士の因果が、その息子たちへと引き継がれて展開していくさまを、それぞれに視点を変えた3つの物語で描き出していく人間ドラマ

物語の舞台となる町の名前「スケネクタディ」は、先住民モホーク族の言葉で「松の木の向こう」と言う意味。
その原題に日本では「宿命」をつけて解りやすくしていました。
その森を通る時―、
それぞれのパートの主人公は新たな展開に足を踏み入れるのですが…―
通称"ハンサム・ルーク"として、子供たちにも人気の天才ライダーは、
ある日会いに来た元カノと再会して、旅回りを止めてこの町に根を下ろそうと決める。
最初のパートは、この自信家でキレやすいルークが、
自分の子供と出会い、夢を見、、、そして新米警察官、エイヴリーと出会うまで―。
一方、頭の上がらない、判事の父を持ちながらも、
ルークとの事件以来時の人となったエイブリーは、得意満面の仕事復帰を果たすが、
思いもかけない落とし穴が待ち受ける第2のパート。
そして15年後、町の有名人だった父の葬儀の日、エイヴリーは別れた妻に息子AJを預けられ、
ルークとロミーナの息子、ジェイソンとAJがこの町で関わっていく第3のパート。

ブラッドリー目当ての方にはジリジリと長いルークのパートだったかもですが、
このパートの終盤の2人のシーンに、釘付けになった事でしょう。
敢えてその後にリプレイのない、野心的だが経験のないエイヴリーの「失敗」
その後の内部調査でも、敢えてのエイヴリーの瞳の証言に止めた映像。。。
その場しのぎで生きてきたルークが、己の孤独を認め、愛する者に何かを残したいという、
彼のとった道…ルークのキャラが炸裂のパートは、セリフを抑え画で見せていく

一方で、威圧的な父親に認められたくて出世したい、どこか姑息なエイヴリーが、
自分の過ちが更にロミーナたちを苦しめるに至り、
自己保身と、過去を清算するためにその父を頼り、策を打って出る…―
カエルの子はカエル――という言葉が過ぎり、次のパートの、終盤に繋がります。
その最終章は、あららの都合良過ぎの展開ですが(笑)
ルークの息子・ジェイソンを演じたデイン・デハーンくんに尽きます。
彼もまた父親の通った森への道を辿るのですが、
やや雑な展開の第3パートを、彼の存在が救ってくれたかな〜。
それまであまり触れられなかったエイヴリーの罪悪感を引き出す時、そして、旅立つ姿。
「バスケットボール・ダイアリーズ」の頃のディカプリオを彷彿とさせる彼は、
17歳の役を演じては居ますが実は27歳というからびっくりです!
「欲望のバージニア」はスルー予定だったけど、彼が出ていて迷ってしまう〜

「ドライブ」と被るライアン、「ザ・ワーズ 盗まれた人生」と被るブラッドリーでしたが
画的にも好みで、無口なそのシーンに表れる不幸の予感に引き込まれます
